2014年02月20日

私の中のひめゆり

私の中のひめゆり

 久しぶりにひめゆりの塔を訪問した。
 その資料館へと入るとすぐに厳かな雰囲気に包まれる。
 修学旅行の高校生たちと一緒になったが、彼らの顔も駐車場での高揚した気分の顔ではすでになかった。ここでは、年齢も人生の経験も差はなく、誰もが同じ人間として「平和を願い、すべての人の幸せを願う」普遍的な思いに駆られる。
 ひめゆり学徒隊が歩んだその悲劇、散っていった者の写真、残ったものの証言などから、ここでしか味わえない平和の尊さを噛み締める。何度来ても新たな発見がある。

 私は訪問の度に、数多くある資料の中に一人の方を追いかけている。
 その方とは、学徒隊の生存者であり、そして私の小学校1年時の恩師だ。
 7,8歳の子供ながら先生がひめゆり学徒隊だったことを皆で度々うわさをしていた。先生はそのことを自ら話すことはなかったように思う。それよりも幼いながら私たちがその恩師から感じていたことは、一人ひとりの子どもに対する深い愛情とそして厳しさだった。
 先生の言葉はいつも私たちに真っ直ぐと伝わってきた。大事にされていることを知っているがゆえに、厳しさも素直に受け止めることができた。

 生存者の証言集の中に恩師の文章を見つけた。そこには「残されたものの使命を全うすべく」教師として歩む決意が載せられていた。
  その恩師との出会いから40年以上が過ぎ、あれから出会ったことはない。
 しかしその間も「ひめゆり」は私たち教え子の中に脈々と生き続けていたことを悟った。


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Posted by 比嘉正央 at 18:00│Comments(0)先生のひとりゴト
 
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